共通テストの得点調整とは?何点上がるか過去6回で確認【2027年度】

得点調整とは?

共通テストの得点調整は、地理歴史・公民・理科の選択科目の間で平均点が20点以上開いたときなどに、平均点が低い科目の点数を加点する仕組みです。2021〜2026年度の6回で実施は2回。2023年度は生物で最大12点上がりました。2027年度は1月22日(予定)に実施の有無が発表されます。

この記事でわかること

  • 得点調整が行われる条件と対象科目(2027年度)
  • 点数が上がる科目・上がらない科目の決まり方(分位点差縮小法)
  • 2021〜2026年度の実施の有無と最大の平均点差
  • 実施された年に何点上がったか(換算表から読んだ最大幅)
  • 自己採点の点数に換算表を当てはめる手順

公的情報源: 大学入試センター「令和9年度 受験案内」p.61-62/過去の試験情報(令和3〜8年度)(dnc.ac.jp・2026年10月21日確認)

この記事の要点

  • 条件は「平均点差20点以上」か「15点以上かつ段階表示の区分点差20点以上」
  • 対象は地理歴史・公民・理科の科目間だけ。受験者1万人未満の科目は外れる
  • 点数は下がらない。平均点が低い側の科目だけが加点される
  • 2021〜2026年度で実施は2021年度と2023年度の2回

「理科で難しい科目を選んだら、損をしませんか」。科目選択の面談で毎年出る質問です。

この損を小さくするのが得点調整です。ただ、毎年行われるわけではありません。この記事では、2027年度の受験案内に書かれた条件と、過去6回で実際にどうなったかを、大学入試センターの資料だけでたどります。

目次

共通テストの得点調整とは、科目間の難易差を埋める加点

得点調整とは、選択科目の間で問題の難しさによる大きな平均点差が出たとき、平均点が低い科目の受験者の点数を加点する仕組みです。どの科目を選んでも、有利・不利が大きくならないようにするのが目的です。

2027年度の受験案内では、対象・条件・方法が次のように定められています。

得点調整の対象科目(令和9年度 受験案内 p.61)

教科得点調整の対象になる科目の組み合わせ
地理歴史『地理総合,地理探究』『歴史総合,日本史探究』『歴史総合,世界史探究』の間
公民『公共,倫理』『公共,政治・経済』の間
理科『物理』『化学』『生物』『地学』の間

受験者数が1万人未満の科目は対象外です。地学は例年この基準に届かず、2021年度・2023年度の換算表でも「受験者数が1万人未満のため対象としない」と注記されていました。

数学・情報・基礎科目は対象にならない

2025年度は、新しい教育課程と旧課程の科目が並んだため、数学①・数学②・情報も得点調整の対象に入っていました。2027年度の受験案内では、対象は地理歴史・公民・理科の3つだけに戻っています。

『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』や『地理総合/歴史総合/公共』も、対象には含まれていません。

追試験は対象にならない

得点調整の対象は「本試験」と書かれています。1月23日・24日の追試験・再試験の科目は、この仕組みの外という扱いです。

得点調整が行われる2つの条件

得点調整は、対象の科目間で次のどちらかが起き、それが問題の難しさの差によるものと認められた場合に行われます。

  1. 平均点の差が20点以上開いた
  2. 平均点の差が15点以上で、かつ段階表示の区分点差が20点以上開いた

2つ目の条件は、2025年度(令和7年度)の試験から定められたものです。平均点だけでなく、順位ごとの点数の差も見る条件になっています。

区分点差とは、同じ順位の人の点数の差

区分点差とは、段階表示(スタナイン)の境目にあたる位置、つまり上から4%・11%・23%・40%・60%・77%・89%・96%の位置にいる人の点数の差です。

たとえば上位23%の位置の点数が、物理で80点、化学で58点だったとします。この位置の区分点差は22点です。平均点の差が15点以上で、こうした区分点差のどこかが20点以上あれば、条件を満たします。

得点調整が行われるかの判定

  • 対象科目(地歴・公民・理科の各科目間)で平均点差は何点?
  • 20点以上難易差によると認められれば実施2021年度・2023年度はこちら
  • 15点以上20点未満区分点差が20点以上なら実施2025年度から加わった条件
  • 15点未満実施しない2022・2024・2025・2026年度はこの範囲

出所: 大学入試センター「令和9年度 受験案内」p.61/各年度の得点調整実施の有無(プレス発表)

図:平均点差20点以上か、15点以上で区分点差20点以上のときに得点調整が行われる。2022年度以降の不実施の年は、どれも最大の差が15点未満だった。

何点上がる?分位点差縮小法のしくみ

調整の方法は「分位点差縮小法」と呼ばれます。点数の分布を比べ、平均点が低いほうの科目の点数を、高いほうの科目に近づける形で加点する方式です。

守られる2つのルール

調整では、次の2つのルールが決められています。

  • 元の点数を下げない: 加点されるのは区分点が低い側の科目だけ。高い側の科目は点数が変わらない
  • 平均点の順番を入れ替えない: 調整後も、平均点の高い・低いの順番はそのまま

差を全部は埋めない

加点される科目とされない科目の受験者の間で公平を保つため、区分点差の全部は埋めません。調整後も、区分点差の最も大きいところが15点になるところまでにとどめます。

そのため「平均点差が25点だったから25点上がる」という動き方にはなりません。加点の幅は点数帯によって違い、0点と100点はそのままです。中間の点数帯ほど大きく上がる形になります。

分位点差縮小法で起きること(令和9年度 受験案内 p.61-62 の説明から作成)

項目内容
加点される科目区分点差が最大の2科目のうち、区分点が低い側。ほかの科目も同じ比率で調整
加点されない科目区分点が最も高い科目(点数は変わらない)
調整後の差区分点差の最大が15点になるまで縮める
点数の扱い換算表で素点を調整後の点に置きかえる

歴代の得点調整|2021〜2026年度の6回で実施は2回

大学入試センターが各年度に出した資料を並べると、共通テストになってからの6回で、得点調整が行われたのは2021年度と2023年度の2回でした。

得点調整の実施状況(本試験・大学入試センター公表資料から作成)

年度実施最も開いた科目と平均点差(中間集計)発表日
2021年度(令和3)実施(公民・理科②)20点以上(センター発表)—
2022年度(令和4)実施せず理科② 物理60.72/化学47.63=13.09点1月21日
2023年度(令和5)実施(理科②)20点以上(センター発表)—
2024年度(令和6)実施せず公民 倫理56.44/政治・経済44.35=12.09点1月19日
2025年度(令和7)実施せず理科 物理59.09/化学45.46=13.63点1月24日
2026年度(令和8)実施せず理科 化学56.85/物理45.55=11.30点1月23日

出所: 令和8年度試験・令和7年度試験・令和6年度試験・令和5年度試験・令和4年度試験・令和3年度試験(大学入試センター 過去の試験情報)。不実施の年の数字は各年の「得点調整実施の有無について」に載った中間集計の値で、最終の平均点とは少し違います。

不実施の4回は、どれも最大の差が11〜14点台でした。20点の条件まではかなり距離があり、2つ目の条件(15点以上)にも届いていません。

2026年度は物理が最も低かった

2026年度は、化学56.85点に対して物理45.55点で、物理が最も低い科目でした。2022年度・2025年度は逆に物理が最も高く、化学が最も低い年です。

どの科目が難しくなるかは、年によって入れ替わります。「この科目は毎年得点調整で守られる」と考えて選ぶのは危うい判断です。

実施された年に何点上がったか(換算表から)

得点調整が行われた年は、大学入試センターが科目ごとの換算表を公表します。素点を表で引き、横の数字が調整後の点です。2021年度と2023年度の理科②の換算表から、加点の幅を読み取りました。

理科②の換算表で読む加点の幅(大学入試センター公表の換算表から当サイトで算出)

年度科目素点50点→調整後素点60点→調整後最大の加点
2021年度物理56点66点+6点(素点60点前後)
2021年度化学58点67点+9点(素点38点前後)
2021年度生物50点60点0点(調整なし)
2023年度物理50点60点0点(調整なし)
2023年度化学57点67点+7点
2023年度生物62点72点+12点

出所: 令和5年度 理科②換算表・令和3年度 理科②換算表(大学入試センター)

2021年度は公民も調整され、換算表には「政治・経済の50点は58点」「現代社会の60点は67点」という例が載っていました。上がる幅は、中位の点数帯でおよそ7〜12点というのが、この2回で読み取れる目安です。

2023年度 理科②の得点調整で起きたこと

点数が変わらなかった科目
物理
平均点が最も高い科目=調整なし
地学
受験者1万人未満=対象外
加点された科目
化学
最大+7点(50点→57点)
生物
最大+12点(60点→72点)

図:得点調整では最も平均点が高い科目は変わらず、低い側の科目だけが加点される。2023年度は生物の加点が最も大きかった。

2027年度の発表日と、自己採点での扱い方

2027年度の得点調整の実施の有無は、1月22日(金)(予定)に大学入試センターのウェブサイトで発表されます。行う場合は、同じ日に対象科目の換算表が出ます。

試験後の発表日程(2027年度・予定)

日付発表されるもの
1月16日・17日各日の全試験終了後に正解・配点
1月20日(水)平均点の中間発表
1月22日(金)得点調整の有無・換算表、段階表示の換算表
2月4日(木)平均点の最終発表

出所: 大学入試センター「令和9年度 受験案内」p.61-62

自己採点の点数に換算表を当てる手順

自己採点で出るのは素点です。得点調整が行われた年は、対象科目の素点を換算表で引き直して、出願先を考える点数に使います。

  1. 試験当日の夜、正解・配点で各科目を自己採点する
  2. 1月20日の中間発表で、自分の科目の平均点と最も高い科目との差を見る
  3. 1月22日に得点調整の有無を確かめる
  4. 行われたら、換算表の「素点」の行から調整後の点を読み、合計点を出し直す
  5. 予備校のリサーチや志望校の判定を、調整後の点数で見直す

予備校のリサーチは、得点調整の発表日より前に提出を締め切ることがあります。提出のときは、各社の注意書きで調整の扱いを確かめておきましょう。自己採点の進め方は共通テストの自己採点のやり方とリサーチ提出で詳しく扱っています。

科目選びで得点調整を当てにしない

過去6回のうち4回は実施されていません。行われた年も、差の全部が埋まるわけではなく、区分点差15点ぶんは残ります。

教室で科目選択の相談を受けるときも、「難しくなっても得点調整があるから大丈夫」とは伝えていません。得意な科目、志望校が指定する科目で選ぶのが基本になります。科目の組み合わせは共通テストとは?仕組み・科目・配点で確認できます。

よくある質問

Q1:得点調整で自分の点数が下がることはありますか?

下がりません。受験案内に「各科目の元の点数を下げないこと」と定められています。加点されるのは平均点が低い側の科目だけで、最も高い科目の点数はそのままです。

Q2:2026年度の共通テストで得点調整はありましたか?

ありませんでした。大学入試センターは2026年1月23日に、得点調整を行わないと発表しています。最も差が開いた理科でも、化学56.85点と物理45.55点の11.30点でした(中間集計)。

Q3:得点調整は不公平ではありませんか?

加点されない科目の受験者との公平を考え、差を全部は埋めず、区分点差の最大が15点になるまでにとどめる決まりです。完全に同じ条件にするのではなく、大きすぎる差だけを小さくする仕組みと考えてください。

Q4:得点調整はどこで確認できますか?

大学入試センターのウェブサイトで、1月22日(予定)に実施の有無と換算表が発表されます。過去の年度は「過去の試験情報」の各年度ページに、実施の有無の資料と換算表が残っています。

Q5:基礎科目(化学基礎・生物基礎など)は調整されますか?

調整されません。2027年度の対象は、地理歴史・公民・理科の『物理』『化学』『生物』『地学』の科目間です。基礎科目と『地理総合/歴史総合/公共』は対象に入っていません。

Q6:追試験で受けた科目も得点調整されますか?

対象は本試験の科目と定められています。追試験・再試験の科目は得点調整の対象に含まれません。

まとめ:得点調整は「大きすぎる差」だけを縮める

得点調整は毎年あるものではなく、大きな差が出た年だけ平均点の低い科目を加点する仕組みです。1月22日の発表を確かめ、行われたら換算表で自己採点の点数を出し直しましょう。

この記事の要点

  • 条件は平均点差20点以上、または15点以上かつ区分点差20点以上
  • 2027年度の対象は地歴・公民・理科の科目間。受験者1万人未満・基礎科目・追試験は外れる
  • 点数は下がらない。差の全部は埋めず、区分点差の最大を15点まで縮める
  • 2021〜2026年度で実施は2回。2023年度は生物で最大+12点、化学で+7点
  • 2027年度の発表は1月22日(予定)。行われたら換算表で合計点を出し直す

1月20日の中間発表が出たら、自分の選択科目と最も平均点が高い科目の差をまずメモしておきましょう。

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免責事項

※本記事は、大学入試センター「令和9年度 受験案内」と、令和3〜8年度の過去の試験情報(得点調整実施の有無・換算表・実施条件の資料)をもとに整理した情報です(2026年10月21日確認)。加点の幅は公表された換算表から当サイトで読み取ったもので、2027年度の実施を予測するものではありません。発表日は予定のため、最新の情報は大学入試センターのウェブサイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

大手進学塾で8年、小学生から高校生まで、延べ500人以上に数学と英語を教えてきたYamadaです。授業でよく聞かれたのが「家でどう勉強すればいいですか」でした。週に1、2回の授業では問題演習に追われて、家庭学習の進め方まで手が回りません。そこに歯がゆさを感じてきました。

同じ問題集を渡しても、伸びる子と伸び悩む子がいます。差は頭の良さではなく、目標の立て方と続け方の工夫にありました。保護者面談で「うちの子、やる気が続かなくて」と相談されるたび、もっと多くの家庭に届く形で伝えたいと思ってきました。このサイトでは、受験対策や定期テスト、勉強習慣の作り方を、現場で試してきた方法をもとに書いています。

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