新課程になって、共通テストに「情報Ⅰ」と「公共」という新しい科目が加わりました。名前は聞くけれど、いつから・何を対策すればいいのか分からない。そんな不安を持つ受験生と保護者は多いはずです。
とくに情報Ⅰは2025年に初めて実施された科目で、過去問の蓄積も少なく、対策の型が見えにくいのが実情です。公共も「現代社会」に代わる新科目で、どの組み合わせを選ぶかで負担が変わります。
この記事では、情報Ⅰと公共の範囲・対策を始める時期・勉強法・配点の重みを、学年別の目安つきで整理します。制度は2025年度の新課程以降のもので、各大学の扱いは要確認である点も明記します。
共通テストの情報Ⅰと公共はいつから対策すべきか。情報Ⅰは高1〜2の授業から始め、演習は高3の夏以降が目安です。2025年に新設された情報Ⅰは100点・60分。公共は高3で「倫理」か「政治・経済」との組み合わせを選び、夏から集中します。
この記事でわかること
- 情報Ⅰは2025年新設の科目。プログラミング・データ活用など4分野から出題(100点・60分)
- 公共は単独では出ず、「公共,倫理」か「公共,政治・経済」の組み合わせで受験する
- 対策開始の目安は、情報Ⅰが高1の授業から、公共が高3春の科目選択から
- 本格的な演習はどちらも高3の夏〜秋。直前期に暗記分野を仕上げる
- 情報Ⅰは国立で原則必須だが、配点の重みは大学差が大きい。募集要項で必ず確認する
なお、共通テストそのものの仕組みは共通テストとは何かをまとめた記事で、目標点の決め方は共通テストの得点率の目安の記事で解説しています。この記事は新科目「情報Ⅰ・公共」の対策時期と勉強法に絞ります。
結論を先に書きます
情報Ⅰと公共の対策は、いつから始めるかを「学年」ではなく「授業の履修と志望校の配点」で決める のが正解です。情報Ⅰは高1〜高2で履修する高校が多く、その授業を土台にできます。公共は高2〜高3で履修し、組み合わせ科目を決めてから対策に入ります。
どちらも一夜漬けが効きにくい科目です。ただし、志望校での配点が軽ければ深追いは不要。まず配点を確認し、力の入れ方を決めてから動くのが遠回りに見えて最短です。
ここがポイント
情報Ⅰは「授業と定期テストの積み重ね」がそのまま得点になります。特別な前倒しよりも、高1〜2の授業を捨てないことが最大の対策です。公共は科目選択で負担が変わるため、高3春に「倫理」か「政治・経済」かを早めに決めましょう。
本記事の制度・配点は2025年度の新課程入試以降の内容です。科目名・配点・各大学での扱いは年度や大学により異なり、変更される場合があります。最終的な判断は志望校の最新の募集要項で確認してください。
情報Ⅰとは|2025年に新設された共通テストの新科目
情報Ⅰとは、共通テストで2025年に初めて実施された、情報活用を問う新科目です。プログラミングやデータの活用など、これからの社会で使う力を測ります。
2025年1月実施の共通テスト(令和7年度)から情報が新設され、出題は7教科21科目になりました(大学入試センター・2025年)。試験時間は60分・100点満点です。
情報Ⅰの出題範囲
情報Ⅰの範囲は、大きく4つの分野に分かれます。暗記だけでなく、考えて解く問題が多いのが特徴です。
- 情報社会と情報モラル:個人情報・著作権・セキュリティなど、社会のルールを問う
- 情報デザインとコミュニケーション:伝え方・図表・メディアの特性を理解する
- プログラミングとアルゴリズム:手順を読み解き、処理の流れを追う問題
- データの活用:グラフや表を読み、数値から傾向を読み取る
初年度の問題は、知識よりも「その場で読み解く力」を重く見る傾向でした。プログラムの記述やグラフの読み取りは、慣れていないと時間を取られます。ここが情報Ⅰのつまずきどころです。
公共とは|倫理・政治経済と組み合わせて出る新科目
公共とは、新課程で「現代社会」に代わって新設された公民の科目です。社会の課題を自分ごととして考える力を問います。
大切な前提として、公共は共通テストで単独では出題されません。「公共,倫理」または「公共,政治・経済」という組み合わせで受験します。現役生(新課程で学んだ受験生)は、このどちらかを選ぶことになります。
公共部分の配点と組み合わせ
「公共,倫理」と「公共,政治・経済」のどちらを選んでも、「公共」部分は共通問題で、100点満点のうち25点相当 が公共に配点されます。残りの75点相当が、倫理または政治・経済です。
2025年の共通テストでは、公共,政治・経済の平均点は62.7点、公共,倫理は59.8点でした(大学入試センター・2025年)。年度による差はありますが、組み合わせる相手で負担も得点しやすさも変わります。
情報Ⅰと公共の出題範囲|4分野と組み合わせ科目で整理する
新科目は「情報Ⅰの4分野」と「公共+倫理か政治・経済」という2つの軸で見ると、全体像がつかめます。まずは何を勉強する科目なのかを地図にしておきましょう。

情報Ⅰは4分野をバランスよく学びます。特定分野だけ捨てるのが難しく、全分野で失点を減らす 姿勢が向いています。
公共は、組み合わせる科目で色合いが変わります。政治・経済は公共と内容が重なる部分が多く、負担が軽くなりやすいと言われます。倫理は日常でなじみが薄いぶん、暗記量が読みにくい面があります。
情報・公共はいつから対策する?|学年別のロードマップ
情報Ⅰと公共は、いつから始めるかの目安を学年で示せます。結論は、情報Ⅰは高1の授業から、公共は高3春の科目選択から です。どちらも本格的な演習は高3の夏〜秋に入ります。
前倒しよりも大事なのは、授業を土台にすること。特に情報Ⅰは、高1〜2の定期テストで基礎を固めておくと、高3でゼロから覚え直す必要がなくなります。

学年別の動き方
| 時期 | 情報Ⅰ | 公共(+倫理/政経) |
|---|---|---|
| 高1〜高2 | 授業と定期テストで基礎を定着 | 履修が始まったら授業を大切にする |
| 高3 春 | 苦手分野を教科書で復習 | 「倫理」か「政治・経済」かを決める |
| 高3 夏〜秋 | 共通テスト形式で演習を開始 | 資料読解と暗記を並行して進める |
| 高3 直前期 | プログラム・計算・データ問題を総点検 | 時事・頻出テーマを仕上げる |
情報Ⅰも公共も、直前だけで仕上げるのは危険です。ただし配点が軽い志望校なら、他教科を優先して短期集中でも間に合います。時間配分は配点を見てから決めましょう。
情報Ⅰの勉強法|授業の基礎固めからプログラム・データ演習へ
情報Ⅰの勉強法は、教科書ベースの基礎固め→形式に慣れる演習 の二段構えが基本です。過去問がまだ少ないぶん、土台づくりの比重が高くなります。
やみくもに難問を解くより、授業で扱った内容を確実に理解するほうが効きます。指導の現場でも、定期テストを丁寧にこなした生徒ほど、高3で情報の伸びが安定します。
情報Ⅰで押さえる勉強の順番
- まず教科書の用語と仕組みを理解する:情報モラル・データ・プログラムの基本語を固める
- プログラムの読み取りに慣れる:処理の流れを1行ずつ追う練習を繰り返す
- グラフ・表の読み取りを練習する:データの活用は読解スピードが得点を分ける
- 高3夏から共通テスト形式で演習:試作問題・予想問題で時間配分を身につける
情報Ⅰは、参考書や問題集を教科書の範囲に合わせて選ぶのが失敗しないコツです。難易度の高い専門書に手を出すより、共通テストの範囲に対応した教材を反復するほうが効率的です。
なお、どのくらいの得点率を目標にすべきかは、共通テストの得点率の目安の記事で志望校帯ごとに確認できます。
公共の勉強法|科目選択と資料読解が得点を左右する
公共の勉強法は、組み合わせ科目の選択→公共部分の資料読解→暗記の仕上げ という流れが取り組みやすい形です。まず「倫理」か「政治・経済」かを決めることがスタートになります。
公共は時事や社会の課題を題材にした資料問題が出やすい科目です。丸暗記だけでは対応しにくく、資料を読んで考える練習が効きます。
公共の勉強で意識したい3点
- 組み合わせを早めに決める:政治・経済は公共と内容が重なり負担が軽くなりやすい
- 資料・グラフの読み取りに慣れる:公共は文章や図から判断させる出題が中心
- 時事・頻出テーマを直前に固める:暗記分野は高3秋以降でも伸ばしやすい
公共部分は配点25点相当と大きくはありませんが、組み合わせる倫理や政治・経済まで含めれば100点の科目です。どの相手と組むかで勉強量が変わる ため、選択は早いほど有利になります。
情報Ⅰと公共の配点と志望校での重み|募集要項で必ず確認する
最後に、いちばん誤解が多い配点の話です。結論は、情報Ⅰは国立で原則必須だが、点数の重みは大学ごとに大きく違う ということ。ここを確認せずに勉強量を決めてはいけません。
国立大学協会の申し合わせにより、一般選抜の募集区分の約96%で情報Ⅰが必須とされ、約81%が6教科8科目です(国立大学協会・2025年度)。一方で、配点の扱いは大学によって差があります。

配点の扱いは大学でこう分かれる
| 志望先 | 情報Ⅰの扱い(目安) | 公共の扱い(目安) |
|---|---|---|
| 国立大学 | 原則必須。ただし配点比率は大学差(点数化しない大学もあった) | 地歴公民の一科目として必要なことが多い |
| 公立大学 | 大学・学部で必須か選択かが分かれる | 学部により必要 |
| 私立大学 | 共通テスト利用で使う場合のみ関係。使わない大学も多い | 共通テスト利用で選択できる場合がある |
初年度の2025年は、情報Ⅰを「配点しない」「配点を半分にする」と公表した大学もありました。数値の重みは年度でも見直されるため、必ず志望校の最新の募集要項で配点を確認 してください。私大で共通テスト利用入試を使う人は、共通テスト利用入試の記事もあわせて確認しておくと安心です。
力の入れ方を決める手順
まず志望校の募集要項で情報Ⅰと公共の配点を調べます。配点が重い大学が第一志望なら、高2のうちから土台づくりを始めます。配点が軽い、または点数化しない場合は、他教科を優先して短期集中に切り替えます。配点を見てから勉強量を決めるのが、遠回りに見えて最短ルートです。
まとめ|情報・公共はいつから対策するかの要点
情報Ⅰと公共の対策時期と勉強法を、最後に整理します。
この記事のまとめ
- 情報Ⅰは2025年新設(100点・60分)。プログラミング・データ活用など4分野から出る
- 公共は単独では出ず、「公共,倫理」か「公共,政治・経済」を選んで受験する
- 対策開始の目安は、情報Ⅰが高1の授業から、公共が高3春の科目選択から
- 本格的な演習はどちらも高3の夏〜秋。直前期に暗記・時事を仕上げる
- 情報Ⅰは国立で原則必須だが配点は大学差。募集要項で確認してから力の入れ方を決める
新科目は「情報が少なくて不安」に見えますが、やることはシンプルです。情報Ⅰは授業を土台に演習で形式に慣れる。公共は組み合わせ科目を早く決めて資料読解に慣れる。そして志望校の配点を先に確認する。この3つを押さえれば、新科目に振り回されずに準備できます。
よくある質問(FAQ)
共通テストの情報はいつから対策を始めればいいですか?
情報Ⅰは高1〜高2で履修する高校が多く、その授業と定期テストが最初の対策になります。特別な前倒しよりも、授業内容を確実に理解しておくことが土台です。共通テスト形式の演習は、他教科の負担が増える前の高3の夏〜秋から始めるのが目安です。配点が重い志望校なら、高2のうちから少しずつ触れておくと安心です。
公共は単独で受験できますか?
共通テストでは公共を単独では受験できません。「公共,倫理」または「公共,政治・経済」という組み合わせで出題されます。現役生(新課程で学んだ受験生)は、このどちらかを選びます。「公共」部分は両方に共通の問題で、100点満点のうち25点相当が配点され、残りが倫理または政治・経済です。
公共は「倫理」と「政治・経済」のどちらと組むのがよいですか?
一概には言えませんが、政治・経済は公共と内容が重なる部分が多く、負担が軽くなりやすいと言われます。倫理は日常でなじみが薄いぶん暗記の負荷が読みにくい面があります。志望校が指定する科目や、自分の得意・興味で選ぶのが基本です。他教科との相性も含めて、高3の春までに決めておくと対策を早く始められます。
情報Ⅰは国立大学の受験で必須ですか?
国立大学協会の申し合わせにより、一般選抜の多くの募集区分で情報Ⅰが必須とされています(2025年度で約96%)。ただし配点の重みは大学によって差があり、初年度は点数化しない大学もありました。必須かどうか・配点がどれくらいかは大学・学部で異なるため、志望校の最新の募集要項で必ず確認してください。
私立大学専願でも情報Ⅰや公共の対策は必要ですか?
私立大学の一般入試(個別試験型)だけで受けるなら、情報Ⅰや公共が不要な大学が多くあります。一方で共通テスト利用入試を使う場合は、大学が指定する科目に情報や公民が含まれることがあります。まず志望校の入試方式と必要科目を確認し、共通テスト利用を併願に入れるかどうかで判断しましょう。
情報Ⅰの対策に過去問はどのくらい必要ですか?
情報Ⅰは2025年に始まったばかりで過去問の蓄積が少ない科目です。過去問演習にこだわりすぎるより、教科書の範囲に対応した問題集で基礎を固めることが優先です。そのうえで、試作問題や予想問題でプログラムの読み取りやグラフ問題の形式に慣れておくと、本番で時間を取られにくくなります。
本記事は2026年時点の公開情報をもとにした整理です。共通テストの科目名・配点・出題範囲や各大学での扱いは、年度および大学により異なり、変更される場合があります。出願や科目選択にあたっては、大学入試センターおよび各大学が公表する最新の入試要項・募集要項をご確認ください。
参考: 大学入試センター(大学入学共通テスト 出題教科・科目/平均点)/国立大学協会 申し合わせ(2025年度入試における情報の取り扱い)/各大学 入学者選抜要項

