都立高校の入試対策と勉強法|時期別スケジュール・内申点・ESAT-J

都立高校受験対策!受験までの時期別の勉強の取組み方

「都立高校受験のスケジュールはどう組めばいいのか」。毎年、中3生とその家庭から繰り返し相談が寄せられるテーマです。

都立高校の入試は制度が一律に定められており、家庭が最初に押さえる情報量はそれほど多くありません。ただ、入り口で選抜方式の違いを取り違えると、夏以降の勉強配分が大きくずれてしまいます。

この記事では、都立高校受験を時期別・内申×学力検査の比率別・教科別に分けて、実践的な勉強スケジュールを整理します。受験生本人と保護者の両方が、月初に開いて優先順位を確認する地図として使ってください。

都立高校受験で合否を分けるのは、中3の1学期までに内申点の土台を作り、夏に学力検査の基礎を固め、秋以降に過去問を回すという時期ごとの優先順位です。一般選抜は学力検査と内申点を7:3で合算するため、内申の遅れは挽回が難しくなります。

この記事でわかること

  • 令和9年度(2027年1〜2月実施)の都立選抜方式(推薦・一般)と確定日程・合否比率
  • 一般選抜の合否を決める総合1020点の内訳(学力検査700・調査書300・ESAT-J20)
  • 都立入試特有の3つの仕組み(共通/自校作成・推薦・実技2倍)
  • 中3の2学期末で確定する内申点の作り方と調査書点への換算
  • 一般選抜に加わるESAT-J(英語スピーキングテスト)20点の攻略
  • 春・夏・秋・直前期の時期別スケジュールと教科別の優先順位

結論を先に書きます

都立高校受験で合否を分けるのは、中3の1学期までに内申点の土台を作り、夏に学力検査の基礎を固め、秋以降に過去問を回すという時期ごとの優先順位です。順番を間違えないことが核心になります。

一般選抜は学力検査と調査書(内申点)を7:3で合算します。学力検査の比率が高くても、内申点で先に差がつくと挽回が難しくなるため、内申を先に整える設計が現実的です。

この記事の要点

  • 都立は推薦選抜(1月)と一般選抜(2月)の2本立て
  • 一般選抜の合否は学力検査7:調査書3を軸に総合1020点
  • 調査書点は実技4教科×2倍が効く(換算内申65点満点)
  • ESAT-J(英語スピーキング)20点が別枠で加算される
  • 内申点は中3の2学期末で確定。勝負は4〜12月の9か月

都立入試は学力検査の基礎固めとESAT-J(英語スピーキング)の音読が得点源。映像授業で苦手単元だけ短時間で埋めたい場合は、スタディサプリ中学講座の無料体験から相性を確かめられます。

目次

都立高校受験の全体像|令和9年度(2027年入試)の選抜方式

いまの中3生が受けるのは令和9年度入学者選抜(2027年1〜2月実施)です。都立高校の選抜は推薦選抜と一般選抜の2本立てが基本で、この構成は令和9年度も変わりません。

日程は東京都教育委員会が2026年5月28日に公表済みです。推薦選抜の検査が2027年1月26日(火)・27日(水)、一般選抜(第一次・分割前期)の学力検査が2027年2月21日(日)東京都教育委員会 令和9年度東京都立高等学校入学者選抜の日程について・2026年8月閲覧)。

一方、配点や選考方法の細部を定める令和9年度の実施要綱・同細目は2026年9月に公表予定で、8月時点では未発表です。この記事の配点は令和8年度までの仕組みをもとにした整理として読み、確定値は公表後の要綱で確認してください。

家庭でまず整理すべきは、志望校の選抜方式と内申点の配点です。ここを早めに共有できた家庭ほど、夏以降の勉強配分の迷いが少なくなる傾向があります。

推薦選抜 と 一般選抜(都立)

推薦選抜
時期
1月下旬
内容
面接・小論文
学力検査
なし
一般選抜
時期
2月下旬
内容
5教科
内申
学力と7対3で合算

図:推薦選抜と一般選抜は準備内容が別物で、本人の性格と選抜方法の相性を先に整理する。

推薦選抜と一般選抜は別の試験

推薦選抜は1月下旬(令和9年度は2027年1月26日・27日)に、集団討論・個人面接・小論文または作文で選考されます。学力検査はありません

一方の一般選抜は2月下旬(同2027年2月21日)に、国語・数学・英語・社会・理科の5教科の学力検査と、調査書(内申点)の合算で選考されます。

準備内容はまったく別物で、両方を本気で狙うと負荷が大きくなります。本人の性格と志望校の選抜方法が噛み合っているかを、家庭で先に整理しておくとよいでしょう。

出願はインターネット出願で、推薦・一般とも2026年12月18日(金)から受付が始まります。令和9年度の確定日程は次のとおりです。

令和9年度(2027年入試)都立入試の主な日程

区分出願受付検査・試験合格発表
推薦選抜2026/12/18〜2027/1/18 17時2027年1月26日(火)・27日(水)2027年2月2日(火)
一般選抜(第一次・分割前期)2026/12/18〜2027/2/4 17時2027年2月21日(日)2027年3月1日(月)
ESAT-J(英語スピーキング)2026年11月22日(日)/追・再試験12月13日(日)一般選抜で加点

推薦がだめでも一般選抜で再チャレンジできます。ただし推薦の準備に時間を割きすぎると、一般選抜の学力検査対策が薄くなる点には注意が必要です。

合否の比率は「学力検査7:調査書3」が基本

一般選抜の合否は、学力検査と調査書を7:3の比率で換算して決まります。学力検査点700点・調査書点300点という配分が、その中身です(東京都教育委員会 令和8年度都立高校入学者選抜実施要綱・同細目・2026年8月閲覧)。

注意したいのは、学力検査の比率が7と高くても、内申点で先に差がつくと後から取り返しにくい点です。たとえば内申で30点差がついた状態を学力検査で取り返すには、本番で大きな差を作る必要が出てきます。だからこそ「内申を先に整える」が現実的な結論になります。

一般選抜の総合1020点の内訳

  • 3要素を合算する
    • 学力検査点700点
    • 調査書点300点
    • ESAT-J20点

図:一般選抜は学力検査700・調査書300・ESAT-J20を合算した総合1020点で判定される。

一般選抜の合否は「総合1020点」で決まる

「7:3」は割合の話で、実際の合否は点数化された総合得点で判定されます。令和8年度の一般選抜(第一次募集)は、次の3つを合算した1020点満点で並べ替えられました。令和9年度も同じ枠組みが基本ですが、確定は9月公表の実施要綱です。

一般選抜の総合得点(1020点満点)の内訳

区分満点中身
学力検査点700点5教科の素点500点を1.4倍に換算
調査書点300点換算内申65点を300点満点へ換算
ESAT-J20点英語スピーキングテストの6段階評価

学力検査:調査書=700:300で、これが「7:3」の中身です。ここにESAT-Jの20点が別枠で上乗せされる、と押さえておくと迷いません。

素点の1点は学力検査点で1.4点に膨らみます。本番の1問(配点4〜5点)は、換算後に5〜7点の重みになると考えると、直前期のケアレスミス対策の価値が見えてきます。

都立入試特有の3つの仕組み

都立受験の戦略を組む前に、家庭で押さえると判断が楽になる3つの仕組みを整理します。4月の段階で共有できていると、夏以降の迷いが減ります。

  1. 共通問題校と自校作成問題校の違い
  2. 推薦選抜は「内申+面接・小論文・集団討論」の総合戦
  3. 調査書点は「実技4教科×2倍」が効く

仕組み1:共通問題校と自校作成問題校の違い

進学指導重点校7校(日比谷・国立・西・戸山・青山・立川・八王子東)と進学重視型単位制3校(新宿・国分寺・墨田川)は、国語・数学・英語を独自に作成した「自校作成問題」で出題します。社会・理科は共通問題です(国際高校は英語のみ自校作成)。

自校作成問題は記述量が多く、思考のスピードが問われる設計です。共通問題で90点を狙う勉強と、自校作成問題で60点を狙う勉強は、ほぼ別教科と考えたほうがよいでしょう。自校作成校志望なら、中3夏前後で過去問の素読みを始めて出題の毛色に慣れる時間が必要になります。

仕組み2:推薦選抜は内申+人物評価の総合戦

推薦選抜は内申点が配点の大きな比率を占めつつ、面接・小論文・集団討論で人物面が評価されます。結果を出す生徒には、中2の段階から観点別評価のどの観点が弱いかを意識して動いていた共通点があります。

内申点の評定は中2の終わりから中3前期の成績が大きく影響します。推薦を本気で狙うなら、中2の冬に家庭で方針を決めておくほうが間に合いやすくなります。

仕組み3:調査書点は「実技4教科×2倍」が効く

一般選抜の調査書点は、5教科×5段階 + 実技4教科×5段階×2倍の合計65点満点で計算されます(音楽・美術・保健体育・技術家庭が2倍)。

実技4教科は学力検査で点が取れない教科だからこそ、定期テスト・提出物・実技作品の3軸で取りに行ける構造です。次の計算例を見ると、その重みが分かります。

状態5教科(評定×1)実技4教科(評定×2)調査書点
5教科=4 / 実技=3202444
5教科=3 / 実技=5154055

5教科で上回っていても、実技で差がつくと内申点で逆転されることが分かります。実技4教科を軽視しないことが、内申点の土台づくりにつながります。

内申点の作り方|中3の2学期末で確定する

都立受験の「内申点」は、中学校が作成する調査書の9教科の評定です。一般選抜では中3の2学期末(12月)の評定が使われ、推薦選抜でも同じ時期が基準になります。内申を上げる実質的な勝負期間は、中3の4月〜12月の9か月です。

5教科の評定を上げる3軸:定期テスト・提出物・授業態度

5教科の評定は、定期テストの点数・提出物の出し方・授業態度の3軸で動きます。定期テストの点数だけで評定が決まると考えていると、提出物の質や授業中の発言量で取りこぼしが出やすくなります。

定期テストで80点台でも評定が4止まりの場合、ワークの空欄・ノートの整理不足・挙手の少なさが指摘されがちです。逆に70点台でも、提出物の精度と授業態度で評定5に届く例もあります。1学期の通知表を受け取った時点で、各教科の改善点を担任に確認しておくと戦略が立てやすくなります。

実技4教科は「作品・実技テスト・取り組む姿勢」で取りに行く

実技4教科はペーパーテストの比重が低く、作品・実技テスト・授業中の取り組みで評価が決まります。作品の完成度そのものより、最後まで丁寧に仕上げる姿勢が評価される場面が多くあります。

実技4教科は2倍計算のため、評定2や3が並ぶと中3での挽回が難しくなります。家庭で「実技教科の課題も5教科と同じくらい大事」という声かけを意識しておくとよいでしょう。

換算内申から調査書点(300点満点)への直し方

換算内申65点満点は、そのまま合否に使われるわけではありません。「換算内申 ÷ 65 × 300」で300点満点に引き直された調査書点が、総合1020点に組み込まれます。評定パターン別の目安を並べます。

評定パターン別の内申点の目安

評定の状態換算内申(65点満点)調査書点(300点満点)
オール339点180点
オール452点240点
5教科3・実技555点253点
オール565点300点

換算内申の1点差は、調査書点で約4.6点の差に広がります。オール3とオール4では調査書点で60点も開くため、学力検査で60点=実質43点分(÷1.4)を毎回上積みするのは現実的ではありません。内申を1つでも多く上げておく価値が数字で見えてきます。

英語スピーキングテスト(ESAT-J)|20点の上乗せを取りに行く

ESAT-Jは、一般選抜だけに加わる英語スピーキングテストです。結論から言うと、配点は20点と小さめでも、学力検査・内申とは別枠の「取りやすい加点」なので、早めに慣れておくと得です。

中3の11月下旬の日曜に実施され、A〜Fの6段階で評価されます。令和9年度入試で使うESAT-J YEAR 3の本試験は2026年11月22日(日)、追・再試験は12月13日(日)です(東京都教育委員会 中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)特設ページ・2026年8月閲覧)。推薦選抜では使いません。

ESAT-Jのランクと入試での点数

ランク入試の点数スコアの目安
A20点80〜100点相当
B16点65〜79点
C12点50〜64点
D8点35〜49点
E4点1〜34点
F0点0点

BとCの差は4点。学力検査の素点に直すと約3点分で、1問のケアレスミスと同じ重みです。小さく見えて、合否のボーダー付近では効いてきます。

出題は4パート|「正確さ」より「声に出して伝わるか」

ESAT-Jは大問A〜Dの4パート・全9問で構成されます。内容を整理します。

  1. Part A:英文を音読する(発音・イントネーション)
  2. Part B:質問に短く返答する(コミュニケーション達成度)
  3. Part C:イラストを見てストーリーを英語で説明する
  4. Part D:音声を聞いて自分の意見を述べる

評価は「完璧な英語」よりも伝わるかどうかが軸です。難しい構文を狙わず、短く正しい文で言い切るほうが得点は安定します。対策は夏〜秋に、教科書本文の音読と、簡単な自己紹介・意見を声に出す練習を数分ずつ積むのが現実的です。

学力検査の英語対策(長文・英作文)とは別物なので、直前に詰め込むより、11月までに「声に出す習慣」を作るほうが間に合います。

本番で何点必要かを出す|1020点から逆算する4ステップ

ここまでで、総合1020点を作る3つの要素がそろいました。次にやることは1つだけです。自分の内申とESAT-Jの見込みを入れて、「本番の5教科で何点取ればいいか」を数字にすることです。

目標が「もっと勉強する」のままだと、夏以降の計画が立ちません。必要な素点が1つ決まると、教科ごとの配分も過去問の目標点も自動的に決まります

1020点から必要な素点を逆算する

  • 上から順に引き算すると、本番で必要な5教科の点が出ます。
  • 1目標の総合得点を置く1020点満点のうち、志望校で狙う総合点を決める
  • 2調査書点を出す換算内申 ÷ 65 × 300 で300点満点に直す
  • 3ESAT-Jの見込み点を置くA=20・B=16・C=12点。まだ受けていないなら控えめに置く
  • 4残りを1.4で割る目標−(調査書点+ESAT-J)=学力検査点。これを1.4で割ると5教科の素点

素点が決まれば、1教科あたりの目標点も過去問の合格ラインも自動的に決まる。

図:総合得点から調査書点とESAT-Jを引き、1.4で割ると本番の5教科で必要な素点が出る。

ステップ1〜4の中身

順番に確認します。使う数字は、前の章までに出てきたものだけです。

  1. 目標の総合得点を置く:1020点満点のうち、志望校で狙う点を決める
  2. 調査書点を出す:換算内申 ÷ 65 × 300(前掲の「評定パターン別の内申点の目安」の表を使う)
  3. ESAT-Jの見込み点を置く:A=20点・B=16点・C=12点。未受験なら低めに置いて安全側で計算する
  4. 残りを1.4で割る:目標 −(調査書点+ESAT-J)= 学力検査点(700点換算)。これを1.4で割ると5教科の素点

たとえば換算内申52(オール4相当)でESAT-JがBの生徒が、総合700点を狙うとします。調査書点は240点、ESAT-Jは16点。700 −(240+16)=444点が学力検査で必要な点です。

444を1.4で割ると約317点。5教科合計で317点、1教科あたり約63点が本番の目標になります。ここまで出せば、模試や過去問の点をそのまま合否の目安として読めます。

換算内申の帯別|必要な素点の早見表

自分の内申がどの帯かで、必要な素点は大きく動きます。目標を総合700点に置いた場合の早見表です。ESAT-JはB(16点)で計算しています。

総合700点・ESAT-J=B(16点)で計算した場合の必要点

換算内申(65点満点)調査書点(300点満点)必要な学力検査点(700点換算)必要な素点(500点満点)
39(オール3)180点504点約360点
45208点476点約340点
52(オール4)240点444点約317点
55254点430点約307点
60277点407点約291点
65(オール5)300点384点約274点

オール3とオール5では、必要な素点が約86点違います。1教科あたり17点の差です。内申を上げる価値は、この表の縦の動きで見えるようになります。

なお総合700点はあくまで置いた数字です。志望校の難易度に応じて、目標の総合点を入れ替えて同じ引き算をしてください。式は変わりません。

1000点で計算すると必要点がずれる|ESAT-Jの20点を式に入れる

逆算の計算式は、学力検査700点+調査書300点=1000点満点で紹介されることがあります。ここに落とし穴があります。

一般選抜にはESAT-Jの点が別枠で加算されます。ESAT-JでBを取る見込みなら、その16点は学力検査で取らなくてよい。素点に直すと約11点分(16 ÷ 1.4)です。

1000点満点の式で計算すると、この分だけ必要点を高く見積もることになります。11点は1教科の大問1つ分で、夏以降の勉強量の見積もりに効いてきます。

逆に、ESAT-JでCやDに沈むと同じ幅だけ学力検査の負担が増えます。ランク差が入試の点で4点=素点で約3点として効く構造は、前章の表のとおりです。

「合格基準点一覧」を探している人へ

「都立高校 合格基準点一覧」で検索している場合は、先に前提を1つ押さえてください。東京都教育委員会は、学校別の合格最低点を公表していません

公表されるのは応募・受検状況(倍率)や入学者選抜の実施状況、学力検査問題などです。検索で出てくる「基準点一覧」は、各社が模試データなどから作った推計値であり、都の公表値ではありません。

だからこそ、この章の逆算が要ります。他人の推計を探すより、自分の内申とESAT-Jの見込みから必要な素点を出すほうが、日々の勉強に直結します。塾や中学校の進路面談で目標の総合点を相談し、そこへ代入するのが現実的な使い方です。

中3・春(4月〜6月)|内申の土台と基礎の復習

春は、内申点の土台を固めながら、学力検査5教科の基礎を整える時期です。この時期は過去問演習より、土台固めに振り切るほうが後の伸びにつながります。

  1. 1学期の定期テストで内申点の土台を作る
  2. 英語・数学の基礎を中1〜中2範囲まで戻る
  3. 志望校を「3校×ランク別」で仮決めする

最優先は1学期の中間・期末テストで評定の土台を作ることです。定期テスト2週間前から学校のワークを2周する習慣が、評定の付き方に差を生みます。並行して、英語の中1英文法(be動詞・一般動詞・疑問詞・現在進行形)、数学の中1〜中2範囲(方程式・関数・図形・確率)の穴を、薄い復習問題集1冊で埋めておきます。

戻り学習を一人で進めるのが難しい場合は、学年をさかのぼって自分のペースで演習できる形の塾を部分的に使う手もあります。自学自習型の進め方はネット松陰塾の料金と学習の進め方で確認できます。

志望校は「現状で届く校・少し背伸びの校・もう一段上の校」の3校に分けて仮決めし、5〜6月に文化祭や説明会へ足を運ぶと、秋以降のモチベーションが安定しやすくなります。

中3・夏(7月〜8月)|弱点教科に7割の時間を投下する

夏休みは、学力検査に集中できる最後のまとまった時期です。差がつくのは「内容」よりも「時間配分」でした。

5教科を均等配分すると「全教科そこそこ伸びたが合計点が動かない」状態に陥りがちです。弱点教科に7割、得意教科に3割で組むと、9月以降の偏差値が動きやすくなります。夏に伸びやすい代表単元は、英語の長文読解、数学の関数・図形、社会の通史、理科の物理化学の計算問題です。

学習時間は「1日10時間」より「1日6時間×40日=240時間」の継続が現実的です。初日に詰め込むと数日で集中力が落ち、結果的に継続型に届きません。8月後半に都立過去問を1年分だけ素読みし、点数を出すためでなく出題範囲と難易度を体に入れておくと、秋の演習に入りやすくなります。

弱点教科に7割を割く設計は、質問できる相手がいるかどうかで達成率が変わります。苦手な1教科だけをマンツーマンで見てもらう使い方なら、オンライン家庭教師ネッティーの料金と講師の選び方e-Liveの講師ランクと料金体系が比較の材料になります。夏の40日間だけ契約する短期利用も可能です。

中3・秋(9月〜11月)|過去問演習と内申点の確定

秋は、過去問演習を本格化させる時期です。スムーズに進む生徒は、9月までに基礎単元の穴埋めと定期テスト対策が一段落しています。

9月〜10月で都立過去問を5年分回します。解いて採点して終わりではなく、解き直しと弱点単元の参考書戻りまでセットにするのが効果的です。1セットの目安は「解く50分→自己採点10分→解説熟読20分→弱点単元を参考書で確認20分」の合計100分です。

並行して2学期の定期テスト対策が走ります。定期テスト2週間前は過去問演習を一時停止し、内申点に集中します。内申点は中3の2学期末で確定するため、9〜12月の定期テストは最後の評定上げのチャンスです。11月の模試で立ち位置がほぼ確定するので、志望校を11月に確定させ、12月以降の方針を固めておきます。

2026年11月22日(日)にはESAT-J(英語スピーキングテスト)本番もあります。学力検査の勉強とは別枠なので、10〜11月は週数回、音読と短い受け答えを声に出す時間を確保しておくと安心です。

過去問の使い方をさらに詳しく知りたい人は、関連記事もあわせてどうぞ。

過去問を計画づくりに活かす考え方は、過去問の効果的な使い方もあわせて確認してください。

中3・直前期(12月〜2月)|本番形式の演習と生活リズム

直前期は、新しい範囲を増やすより、積み上げた知識を本番で出せる状態に整える時期です。新しい教材の買い足しは、全体の精度を下げる原因になりがちです。

12月〜1月は、都立過去問を10年分まで広げて本番形式(時間配分・休憩時間・解く順序)で解きます。「土曜午前を本番と同じ時間割で1日分」やる週末ルーチンを4週続けると、当日のペース配分が崩れにくくなります。

直前期は体調管理と睡眠も学力検査と同じくらい重要です。学力検査は午前9時開始のため、就寝23時・起床6時30分のリズムに本番1か月前から合わせておきます。家庭の声かけは「ちゃんと勉強しているの?」「○○くんはもう終わったらしいよ」といった催促を避け、生活と当日準備に視点を置くほうが、本番で実力を出し切りやすくなります。

教科別の優先順位|共通問題と自校作成で変わる時間配分

教科別対策は、共通問題校志望か自校作成問題校志望かで配分が変わります。要点を整理します。

教科共通問題自校作成問題
国語作文を最初の10分で書く。時間配分が鍵論説文の記述量・語彙レベルが高い。読書で語彙と論理に触れる
数学計算問題でミスをしない精度思考過程を書く記述。共通90点後に移行
英語リスニングを毎朝10分。長文・対話文・英作文語彙と速読。共通長文を10分で読めてから移行
社会・理科共通問題で全範囲。資料・グラフ読み取りまで共通問題(対策は同じ)

社会・理科は「暗記教科」と片付けず、資料・グラフの読み取り問題まで練習すると、80点の頭打ちを越えやすくなります。自校作成校志望は、共通問題で90点を安定させてから自校作成過去問へ移行すると、時間配分が崩れにくくなります。

都立高校受験の時期別チェックリスト早見表

時期別の優先項目を一覧に整理します。月初に開いて、今月やるべきことを確認する道具として使ってください。

中3の時期別優先順位

  • いつ何を優先するか
  • 土台固め内申の土台をつくる
  • 弱点に7割苦手を集中的に潰す
  • 過去問5年分傾向をつかむ
  • 直前本番形式時間配分を仕上げる

図:春=土台固め、夏=弱点に7割、秋=過去問5年分、直前=本番形式という時期別の優先順位。

時期内申点学力検査の優先項目家庭で意識すること
春(4〜6月)1学期テストで土台中1〜中2範囲の復習志望校3校を仮決め・説明会
夏(7〜8月)弱点教科に7割・240時間過去問1年分を素読み・ESAT-J音読開始
秋(9〜11月)2学期テストで確定過去問5年分・解き直し11月模試で志望校確定・ESAT-J本番
直前(12〜2月)2学期末で確定済過去問10年分・本番形式生活リズム・穏やかな声かけ

よくある質問

都立高校受験のスケジュールでよく聞かれる質問を整理します。

Q1:内申点はいつの成績で決まりますか?

中3の2学期末(12月)の評定で確定します。一般選抜・推薦選抜とも同じ時期が基準です。実質的に内申を上げられるのは中3の4月〜12月の9か月で、それ以降に学校での評定が動くことはありません。1学期から計画的に取りに行くのが現実的です。

Q2:学力検査と内申点、どちらを優先すべきですか?

まず内申点の土台を作るのが現実的です。合否比率は学力検査7:調査書3ですが、内申で先に差がつくと本番での挽回が難しくなります。中3の1学期までに内申を整え、夏以降に学力検査へ集中する配分が、迷いの少ない進め方です。

Q3:自校作成問題校はいつから対策すればいいですか?

共通問題で90点以上を安定させてから移行するのが目安です。多くの場合10月ごろが切り替えの時期になります。自校作成は記述量と思考スピードが共通問題と別物のため、共通の感覚のまま入ると時間配分が崩れやすくなります。理科・社会は共通問題のため対策は同じです。

Q4:夏休みは1日何時間勉強すればいいですか?

1日6時間を40日続けて計240時間が現実的な目安です。初日に10時間詰め込むと数日で集中力が落ちやすく、継続型に総量で届かないことがあります。弱点教科に7割の時間を割り当て、8月後半に過去問を1年分素読みしておくと、秋の演習に入りやすくなります。

Q5:直前期に親ができる大事なサポートは何ですか?

学習面の声かけより、生活面の安定が効きやすい時期です。就寝・起床時間を一定に保つ、栄養バランスのある食事を出す、体調変化を早めに察知する、会場までの行き方を一緒に確認する、の4点が有効です。学習面の催促は不安を増幅させやすいため、本人から相談されたときに応じる姿勢のほうが落ち着きます。

まとめ:時期別の優先順位で都立受験を組み立てる

都立高校受験のスケジュールについて、要点を整理します。

この記事のまとめ

  • 一般選抜は学力検査700・調査書300・ESAT-J20の総合1020点で判定
  • 調査書点は実技4教科×2倍。内申点は中3の2学期末で確定
  • ESAT-Jは2026年11月22日(日)に実施。夏〜秋に声に出す習慣を作っておく
  • 春=土台固め、夏=弱点に7割、秋=過去問5年分、直前=本番形式10年分
  • 自校作成校は共通90点後に移行。社会・理科は資料読み取りまで

都立高校受験は、制度を正しく理解し、時期ごとの優先順位を守れば、計画的に合格へ近づける入試です。まずは志望校の選抜方式と内申点の配点を確認し、中3の1学期までに内申点の土台づくりから始めてください。


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免責事項

※本記事は都立高校入試制度の公開情報をもとにした整理です。選抜方式・日程・配点などは2026年8月時点のもので、令和9年度の実施要綱・同細目(2026年9月公表予定)で変わる可能性があるため、最終的な判断は東京都教育委員会の最新の実施要綱・各校の募集要項をご確認ください。


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この記事を書いた人

大手進学塾で8年、小学生から高校生まで、延べ500人以上に数学と英語を教えてきたYamadaです。授業でよく聞かれたのが「家でどう勉強すればいいですか」でした。週に1、2回の授業では問題演習に追われて、家庭学習の進め方まで手が回りません。そこに歯がゆさを感じてきました。

同じ問題集を渡しても、伸びる子と伸び悩む子がいます。差は頭の良さではなく、目標の立て方と続け方の工夫にありました。保護者面談で「うちの子、やる気が続かなくて」と相談されるたび、もっと多くの家庭に届く形で伝えたいと思ってきました。このサイトでは、受験対策や定期テスト、勉強習慣の作り方を、現場で試してきた方法をもとに書いています。

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